コラム

自分自身と真摯に向き合う

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新しい年が明け、早いもので1月も後半になってしまいました。
私の今年の目標は去年と同じ「自分の体とじっくり向き合うこと」です。
昨年の1月3日に心肺停止で緊急入院して一年、たくさんの人のサポートを受けながら、この一年間自分の体とつき合ってきました。

実は私は若い頃から自分の体としっかりとつき合ってきたつもりでした。
仲間と共に「からだのつどい」を主催し、野口整体、野口体操、操体法などを勉強しながらヨガ教室にも通ったりして、多少の不調(風邪など)の時も医者にかかることなく自分で克服してきました。なので、自分の体のことは良くわかっているし、免疫も強いし、良いモノを食べているし、基本的に健康だ―と思っていたのです。

ところが実際はそうではありませんでした。

私は自分の体が悲鳴を上げているのに、それに気付きませんでした。
今思い返すといろいろな時点でそのサインを受け取らずに見過ごしてきたことに思いあたるのです。
今まで大病などしなかったので自分の体を過信していたのです。
これからはそんな自分の「思い込み」はやめて、真摯に向き合っていこうと思っています。

こう思えるようになったのも、実は後遺症の手足の痙攣のおかげです。
この後遺症は心臓が止まっている時間が長かったために、脳の血流が滞った結果ですが、私は勝手に「2~3ヶ月で良くなるだろう」と思っていました。
ところが何ヶ月経っても良くならない痙攣に苛立ち、落ち込みました。
でもそのうち「じっくりリハビリするしかない」と現状を受け入れるようになりました。
それがまたここ1~2ヶ月で受け取り方が変わってきたのです。
入院時「もうあきらめてください」と言われたのに奇跡的に蘇生した時も、人智の及ばない何か大きな力を感じましたが、この手足の痙攣も「その大きな力が与えてくれている状態なのだ」と思えるようになったのです。

私が倒れた時のことを忘れて突っ走らないように。
常に自分の体と向き合うことことを忘れないように―。

今の私は、人の手を借りなければ日々の暮らしも成り立ちません。
そういう意味では私は障害者です。
でも私の人間的価値は少しも減ったとは思っていません。
私たちは元々一人では生きていけないと思います。
私はこの歳になり、この状態になり、そのことに心から気づくことができました。
私たちはいくつになっても、たとえ体が不自由になっても成長し続けることができます。
私は自分自身の体と心に向き合うことができたこの機会を与えてもらえたことに感謝しています。
それに人間、高齢になれば誰でも人の手を借りないと生きていけない存在になりますものね。
今回そのことが実感できたことも、すごく良かったと思っています。

成澤 敏江

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