自然派コラム

畑歳時記と精進料理

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10月は季節はずれの台風にみまわれたり、一気に寒くなったりと、相変わらず気候変動が激しく、畑も田んぼも試練にさらされています。夫の田んぼの稲刈りも雨や台風で遅れて、田んぼの中も水びたしで大変でした。10月末、ようやく稲刈りはしたものの、天日干しの自然乾燥なので、脱穀するまで気が抜けません。

私の畑は、10月に入っても実をつけていたツル性の夏野菜(インゲン、きゅうり、トマト)も、このところ一気に立ち枯れて、大根などの根菜や白菜などの葉物が土をおおい、すっかり冬に向かう晩秋の風景です。11月初めの今、すでに霜が降りそうな寒さ、「さつま芋堀など急がねば!」と焦っています。また、これから玉ねぎや長ネギ、越冬キャベツなどの定植をしようと思っているのですが、これらは全てはじめて手がける作物。育ってくれるものなのか?野菜づくり初めての冬をこれから迎えるところです。

さて、次に精進料理の話です。私は旧たんぽぽ(将監)でやっていた料理教室の延長として、今年1月から我が家で料理教室をやっています。その料理教室への想いややり方が、私の中で少しずつ変わってきたように思えるのです。前のように参加者の皆さんに料理を教えるための教室ではなく、私自身が味わい、楽しみ、それを参加者の皆さんと共有するみたいな感じ、、、。

実は私はこの頃、水上勉さんの「土を喰う日々」という本を読んで、精進料理とうものに心ひかれています。私の求める料理とはこういうものだったのではないか、と思うようになったのです。それはいわゆる、今注目されている「日本料理」と言われているものとは全く別物で、あのような手のこんだぜいたくな料理とは違うものです。
精進料理はお坊さんが禅寺で作る日々のまかない料理であり、寺を訪れる客人へのもてなし料理でもあるのです。それは、今畑にある限られた野菜で何を作るか考えるというもので、だからとてもシンプルで質素なもの。野菜を育んでくれた 土 に感謝し、一片のムダも出さずに余すところなく料理していただくものです。
それはまさにお坊さんが精進するための料理であり、少ない食材から最大限おいしい料理をしぼり出す 技 なのです。「うまいものは大事に喰ってほしい」というのが禅寺方法で、それで客人にもおかわりは無しで、少なめに盛りつけている―と水上氏は述べています。

私もこれから畑とつながる料理をめざして畑をやり始めていますが、畑はまさに自然とつながっていて、土が育ててくれているということを実感しています。
ささやかでも畑で野菜を作ることにより、畑とつながる質素で豊かなまかない料理をせっせと作り、少しずつ精進していこうと思います。

山田きみえ

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